2013年3月22日金曜日

磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! Android編 その4

長々と続いてきたカツオと中島のゲーム開発も今回で終了だ。今回はTextとEntityModifier周りを解説する。前回までは以下。

磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その1
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その2
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その3
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! Android編 その1
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! Android編 その2
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! Android編 その3


Text
private Font _font;
@Override
    protected void onCreateResources() {
        _font = FontFactory.create(this.getFontManager(), this.getTextureManager(), 256, 256, Typeface.create(Typeface.DEFAULT, Typeface.BOLD), 24, Color.WHITE_ARGB_PACKED_INT);
        _font.load();
    }
    @Override
    protected Scene onCreateScene() {
        _scene = new Scene();
        Text text = new Text(100, 10, _font, "Click on the characters!", this.getVertexBufferObjectManager());
        text.setColor(new Color(0, 0, 0));  // 色ごとにFontを用意するのは難儀なので、WhiteでFontを読み込み、後から色を設定する
        _scene.attachChild(text);
    }
文字を表示するのは一見簡単そうなのだけど柔軟さに欠けるので中々に面倒くさい。第一にフォント読み込み時に色を指定するので文字色を後から任意に変更できない。また色毎にフォントを読み込むのは難儀だ。それなので白色フォントで読み込んだ後にEntityの色変更メソッドを通して任意の色へと設定している。第二にフォント読み込み時の領域確保に指定する値の最適値が判然としない。文字の大きさと文字数から判断するしかないのだけど直感的でないので良く分からない。多量の文字を表示するなら大きくなければならないし、かといって無駄に領域を確保するとメモリを無駄に圧迫するのでやっかいな部分だ。最後にこれはバグなのだけど、コンストラクタで指定した文字列よりも長い文字列をsetTextで後から設定すると例外が発生する。そういう状況が起こりえる場合の回避策はコンストラクタで長い文字列を渡しておくしかないだろう。

フォントを指定して読み込む方法は下記を参照してほしい。
src/org/andengine/examples/CustomFontExample.java


EntityModifier
final ButtonSprite ship = new ButtonSprite(50, 50, _shipRegion.getTextureRegion(0), this.getVertexBufferObjectManager());
        final AnimatedSprite shipAnimation = new AnimatedSprite(10, 10, _shipRegion, this.getVertexBufferObjectManager());
        shipAnimation.animate(50);
        shipAnimation.setPosition(50, 50);  // コンストラクタで指定しているけれど、このコードがないとRotationの挙動がおかしい
        ship.setOnClickListener( new ButtonSprite.OnClickListener(){
            @Override
            public void onClick(ButtonSprite pButtonSprite, float pTouchAreaLocalX, float pTouchAreaLocalY) {
                _scene.detachChild(pButtonSprite);
                shipAnimation.setRotation(0);
                SequenceEntityModifier shipModifier =
                    new SequenceEntityModifier(
                        new IEntityModifier.IEntityModifierListener() {
                            @Override
                            public void onModifierStarted(IModifier<ientity> pModifier, IEntity pItem) {
                            }
                            @Override
                            public void onModifierFinished(final IModifier<ientity> pEntityModifier, final IEntity pEntity) {
                                MainActivity.this.mEngine.runOnUpdateThread(new Runnable() {
                                    @Override
                                    public void run() {
                                        _scene.attachChild(ship);
                                        _scene.detachChild(shipAnimation);
                                        pEntity.unregisterEntityModifier((IEntityModifier)pEntityModifier);
                                    }
                                });
                            }
                        },
                        new RotationByModifier(0.5f, 90)
                        ,new MoveModifier(1.0f, 50, CAMERA_WIDTH+50, 50, 50, EaseExponentialOut.getInstance())
                        ,new RotationByModifier(0.1f, 180)
                        ,new MoveModifier(1.0f, CAMERA_WIDTH+50, 50, 50, 50, EaseExponentialOut.getInstance())
                        ,new RotationByModifier(0.5f, 90)
                    );
                shipAnimation.registerEntityModifier(shipModifier);
                _scene.attachChild(shipAnimation);
            }
        });
        _scene.registerTouchArea(ship);
        _scene.attachChild(ship);
EntityModifier周りだけを抜き取ると余計にわけが分からなくなりそうなのでそこらへんをごっそりと持ってきているけれど、注目して欲しいのは10行目から。SequenceEntityModifierを指定すると順番にEntityの値を変更していくことができる。12行目から27行目までは開始と終了のイベントハンドラーでそれ以降が値の変更を記述している。Tweenjsと同様の働きをする。同時に2つ以上の値を変更したい場合は下記のようにParallelEntityModifierを使用する。
// 省略
new RotationByModifier(0.5f, 90),
new ParallelEntityModifier(
 new ScaleModifier(3, 0.5f, 5),
 new RotationByModifier(3, 90)
),
new RotationByModifier(0.5f, 90),
// 省略
またTweenjsと同様にどのように値を変更させるかEase関数を使って指定ができる。Ease関数の種類は下記を参照してほしい。
AndEngine / src / org / andengine / util / modifier / ease /
実際に挙動を見るのが一番早いのでAndEngineExamplesをローカルに設定してEase関数周りのサンプルを動作させてみるのが一番良いだろう。その際にはExtensionsも必要なので忘れずに取得しよう。詳しくはAndEngineのReadMeを参照してほしい。

EntityModifierの開始、終了のイベントハンドラーでUI要素をいじくる場合は注意してほしい。左記2つの関数はワーカスレッドから呼び出されるのでUI要素をいじくるとアプリがクラッシュする。それなので17行目のようにmEngine.runOnUpdateThreadでUIスレッドを呼び出して処理しよう。

EntityModifierのざっくりとした説明は以上になるけれど、今回EntityModifierをいじくりまわしていていくつか不明な点があった。1つ目は、EnityModifierを使いまわせないかとEnityModifier.reset()をいじくりまわしてみたけれど上手くいかなかったこと。2つ目は、unregisterEntityModifierの使いどころ。Entityが不要なEntityModifierをいつまでも参照しているのが嫌だったので一応呼んでいるけれど、AndEngineのサンプルコードを参考にしてもunregisterEntityModifierを呼んでいるものがなかった。AndEngineのコードを追っかけていけば分かることなのだろうけれど現状はどうするのが一番良いのかは不明。


これでAndEngineの解説を終わりとする。AndEngineの基本的な使い方がどういったものか理解できたかと思う。今回は実装しなかったけれどもちろんゲームのメインループにあたる機能や、あたり判定の便利機能などなどゲーム開発に必要な機能は大体そろっている。そういった今回解説しなかった機能はAndEngineExamplesで詳説されているのでそちらを参照してほしい。

2013年3月21日木曜日

磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! Android編 その3

今回は画像周りを解説する。前回までは以下。

磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その1
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その2
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その3
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! Android編 その1
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! Android編 その2


BitmapTextureAtlas
AndEngineで画像を扱う場合はまずBitmapTextureAtlasでサイズを指定し画像のための領域を作り、そこに実際の画像をどしどし読み込む形になる。コードにすると以下のような形。
    private BitmapTextureAtlas _charactersAtlas;
    private TiledTextureRegion _shipRegion;
    private TiledTextureRegion _squareRegion;

    @Override
    protected void onCreateResources() {
        BitmapTextureAtlasTextureRegionFactory.setAssetBasePath("gfx/");

        _charactersAtlas = new BitmapTextureAtlas(this.getTextureManager(), 1024, 256); // 指定のサイズで領域を作る
        _shipRegion = BitmapTextureAtlasTextureRegionFactory.createTiledFromAsset(_charactersAtlas, this, "BlueShip.png", 0, 0, 6, 1);
        _squareRegion = BitmapTextureAtlasTextureRegionFactory.createTiledFromAsset(_charactersAtlas, this, "WalkingSquare.png", 0, 100, 5, 1);
        _charactersAtlas.load();
    }
BitmapTextureAtlasのコンストラクタで指定する数値は2のべき乗である必要がある。つまり2,4,8,16,32,64,128,256...というわけだ。上記のコードが実行されると下図のような様子になる。



BlueShip.pngは600*100なので幅512では収まらないので幅1024になっているし、WalkingSquare.pngとあわせての必要な高さが230になっているので高さは256となっている。そのため画像のように無為な領域が多量に発生してしまっている。無駄なメモリ使用を減らすためにも画像はすき間無くつめられるようなサイズを意識して用意するとよいだろう。ちなみにBitmapTextureAtlasにあまりにも大きい領域を指定するとアプリがクラッシュすることもあるので注意しよう。4096などを指定すると危うそうだ。


TiledTextureRegion
BitmapTextureAtlasのほかにもここではTiledTextureRegionを使ってスプライトシートアニメーションを読み込むことを明示している。下記のコードで船のアニメーションが簡単に実現できる。
final AnimatedSprite shipAnimation = new AnimatedSprite(10, 10, _shipRegion, this.getVertexBufferObjectManager());
shipAnimation.animate(50); //アニメーション速度
_scene.attachChild(shipAnimation);
また下記のようにTiledTextureRegionから指定のフレームを使ってスプライトオブジェクトを作ることも可能。
final Sprite ship = new Sprite(50, 50, _shipRegion.getTextureRegion(0), this.getVertexBufferObjectManager());


TextureRegion
単純に画像をただ表示するだけならば下記のようにすればよい。
    private BitmapTextureAtlas _backgroundAtlas;
    private TextureRegion _backgroundRegion;
   @Override
    protected void onCreateResources() {
        BitmapTextureAtlasTextureRegionFactory.setAssetBasePath("gfx/");

        _backgroundAtlas = new BitmapTextureAtlas(this.getTextureManager(), 512, 512);
        _backgroundRegion = BitmapTextureAtlasTextureRegionFactory.createFromAsset(_backgroundAtlas, this, "Background02.png", 0, 0);
        _backgroundAtlas.load();
    }

    @Override
    protected Scene onCreateScene() {
        _scene = new Scene();
        Sprite bg = new Sprite(0, 0, _backgroundRegion, this.getVertexBufferObjectManager());
        bg.setScaleCenter(0, 0);
        bg.setScale(CAMERA_WIDTH/400f, CAMERA_HEIGHT/300f);
        _scene.attachChild(bg);
    }

BitmapTextureAtlas周りが理解できればAndEngineの画像周りはしごくシンプルだ。次回はEntityModifier周りを解説してこのシリーズも終了となる。

2013年3月19日火曜日

磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! Android編 その2

今回からはAndEngineを使ってのゲーム開発を解説する。前回までは以下。

磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その1
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その2
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その3
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! Android編 その1


サンプルコード
今回使用するコードはhttps://github.com/yooontheearth/andengine-sampleから取得できる。


概要
AndEngineはOpenGLベースのゲームライブラリで現在はバージョンGLES2となっている。AndEngine周りのチュートリアルを探すと大体前バージョンであるGLES1が見つかると思うけれど、GLES2になって仕様が若干変わっているので注意してもらいたい。AndEngine GLES2のコードは以下。
https://github.com/nicolasgramlich/AndEngine


セットアップ
Eclipseのセットアップ方法はよくあるので今回はIntellij IDEAでのセットアップ方法を解説する。今回使用するIDEAのバージョンは12.04のCEだ。


アプリケーションの新規作成の図。Project SDKを4.2としているけれど、AndEngine GLES2は2.2以降で動作する(らしい)。ちなみにちぬあたりMEGAはAndroid 2.3の実機にインストールしたところ問題なく動作した。


AndEngineを追加する準備の図。File→Project Structure→Modulesを選択→上部の緑の十字をクリック→New Moduleを選択する。


AndEngineを追加するの図。Library Moduleを選択→Content rootにダウンロードしたAndEngineのフォルダを選択して(※Package nameは「org.andengine」と入力するように)Finishをクリックする。


AndEngineを確認の図。Module SDKは4.2のこと。AndEngineは3.0以降のConstantをいくつか参照しているので最新のSDKを参照しないとコンパイルエラーになる。


AndEngineを参照するの図。andengine sampleを選択→Dependenciesタブ→右の緑の十字をクリック→Module Dependencyを選択→AndEngineを選択する。AndEngineの参照ができたらExportにチェックしておこう。


では早速コードを見ていこう。

src/com.matsuosoftware.game.andengine_sample/MainActivity.java
public class MainActivity extends SimpleBaseGameActivity {
    public static final int CAMERA_WIDTH = 480;
    public static final int CAMERA_HEIGHT = 320;
    private Camera _camera;

    @Override
    public EngineOptions onCreateEngineOptions() {
        _camera = new Camera(0, 0, CAMERA_WIDTH, CAMERA_HEIGHT);
        return new EngineOptions(true, ScreenOrientation.LANDSCAPE_SENSOR, new RatioResolutionPolicy(CAMERA_WIDTH, CAMERA_HEIGHT), _camera);
    }

    @Override
    protected void onCreateResources() {
        BitmapTextureAtlasTextureRegionFactory.setAssetBasePath("gfx/");

        // 画像などのResourceを読み込む
    }

    @Override
    protected Scene onCreateScene() {
        _scene = new Scene();
        _scene.setTouchAreaBindingOnActionDownEnabled(true);

        // this.mEngine.registerUpdateHandler()に登録するオブジェクトがいわゆるゲームのメインループになる
        // _sceneに画像をぺたぺた貼り付けていく

        return _scene;
    }
}
上記はもっともシンプルな構成のActivityだ。ちなみに上記を実行しても何も表示されない。AndEngineはSimpleBaseGameActivityから派生したActivityひとつだけで動作する。開発者はSceneオブジェクトにぺたぺたと画像を貼り付けつつ、this.mEngine.registerUpdateHandler(Obj)で登録したObjのonUpdateが定期的に呼ばれるのでそこで当たり判定などを行いつつ開発をすすめていく。ただ基本は上記の3つのメソッドで、エンジンを作り、リソースを読み込み、シーンを使って描画するという流れだ。


次回以降は上記のコードにドシドシ肉付けを行っていく。

2013年3月17日日曜日

磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! Android編 その1

前回まではHTML5での2dゲーム開発を解説したが今回からはAndroidでのゲーム開発を解説する。「次回はAndEngineを」と述べたけれど気が変わったのでAndroid編初回の今回は前回までに作ったHTML5ベースのゲームをWebViewでラッピングし、さもAndroidネイティブで作られたゲームかのように動作させる方法を解説する。前回までのシリーズは以下。

磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その1
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その2
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その3


ゲーム概要

Androidローカル(assetsフォルダ)に配置したindex.html、画像、JavaScriptファイルなどをWebViewに読み込んでいる。ゲームの内容は前回までとまったく同じ。
※index.html等々はローカルから読み込んでいるけれど、jQuery、EaselJSなどのライブラリは前回までのコードそのままにCDN(Content Delivery Network)を利用しているのでインターネット経由で取得している。オフラインでも動作可能にするにはこれらの外部ライブラリもローカルに配置しそちらを参照するようにすればよい。


サンプルコード
今回のWebViewのサンプルコードはhttps://github.com/yooontheearth/html5-game-webview-sampleから取得できる。ではさっくりと見ていこう。


src/com.matsuosoftware.game.webview_sample/MainActivity
public class MainActivity extends Activity {
    @Override
    public void onCreate(Bundle savedInstanceState){
        super.onCreate(savedInstanceState);

        requestWindowFeature(Window.FEATURE_NO_TITLE);
        getWindow().setFlags(WindowManager.LayoutParams.FLAG_FULLSCREEN, WindowManager.LayoutParams.FLAG_FULLSCREEN);
        setContentView(R.layout.main);

        WebView webview = (WebView)findViewById(R.id.webview);
        webview.getSettings().setJavaScriptEnabled(true);
        webview.loadUrl("file:///android_asset/index.html");
    }
}
いたってシンプルである。が、順に見ていこう。
・6、7行目、フルスクリーンで表示するためのフラグを設定する
・11行目、JavaScriptを有効にする
・12行目、assetsフォルダからファイルを読み込む。file:///android_assetはassetsフォルダへの特別なファイルパス

ここまででゲームはさもAndroidネイティブアプリかのように起動するのだけれども、見てくれをよくするためにもindex.htmlのbodyタグに以下のスタイル設定が必要となる。

<body style="margin: 0; padding: 0">

とまぁ、これでブラウザで動作させたときと同様のHTML5のゲームがAndroidでラッピングできたわけだけれども、WebViewにはこれだけではなくAndroidからJavaScriptを操作したり値を渡したりその逆もまた可能になっているのでJavaScript上の値をAndroid上で永続化したり復元したりもできるようになっている。詳しくは以下を参照してもらいたい。

・AndroidとJavaScriptとのやりとりは以下のリンクからaddJavascriptInterface()周りを参照してもらいたい。
Building Web Apps in WebView

・JavaScriptのエラーハンドルなどは以下のリンクからsetWebChromeClient、setWebViewClient周りを参照してもらいたい。
WebView


結論
HTML5のコードに手を加えずともWebViewでラッピングしてそのままAndroidアプリとしてリリースすることもできるし、Android用の特別な処理を実装したい場合はAndroidと双方向でやりとりできることも理解できたかと思う。

ただ、HTML5をそのまま使えるというわけで各プラットフォームごとに開発を行わなくてもよいかも!?と明るい展望を一瞬みせてくれたWebViewではあったけれど、その実、実行速度はひっじょうに遅い!!!通常だと50または60FPS平均のものが10FPS以下ほどへと速度が落ちてしまうので大体のゲームはゲームとして成り立たなくなると思われる。通常のアプリ類であればPhoneGapやTitaniumがプラットフォームフリーへの一応の答えになると思うけれど、ゲームはどうなんだろう。以前調べたときはあまりよさげなのはなかった。


というわけでAndroidの能力を搾り出すためにも次回からはAndEngineの使い方を解説していく。

2013年3月16日土曜日

磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その3

磯野と中島のゲーム開発も今回で3回目。HTML5編は今回で終了だ。ちなみに今回もめがねと坊主頭の出番はない。前回までの分は以下。

磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その1
磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その2

coffeescripts/platform.coffee
class GamePlatform
 constructor: (@stage, width, height, contentManager)->
  # 背景の用意
  background = new createjs.Bitmap contentManager.background
  background.setTransform 0, 0, width/400.0, height/300.0   # 背景画像は400*300でCanvasサイズと合わないので拡大する
  @stage.addChild background

  # 文字列表示
  text = new createjs.Text "Click on the characters!", "bold 24px Meiryo", "#000"
  text.x = (width/2)-(text.getMeasuredWidth()/2)
  text.y = 10
  # text.align = 'right'  # align指定はこの方法で
  @stage.addChild text

  # スプライトシートの設定
  shipSpriteSheet = new createjs.SpriteSheet
   images: [contentManager.ship]
   frames:
    width:100   # 1フレームの幅を指定
    height:100  # 1フレームの高さを指定
    regX:50     # 中心点(拡大縮小、回転、移動用の)を指定
    regY:50     #
   animations:
    move:
     frames: [0, 1, 2, 3, 4, 5] # アニメーションフレームの指定
     frequency: 10   # フレームごとの速度
  # スプライトアニメーションの設定
  shipAnimation = new createjs.BitmapAnimation shipSpriteSheet
  shipAnimation.x = shipAnimation.y = 100
  # スプライトシートから指定のフレームの画像を抜き取ってBitmapオブジェクトを作成する
  ship = new createjs.Bitmap createjs.SpriteSheetUtils.extractFrame shipSpriteSheet, 0
  ship.regX = ship.regY = 50 # 中心点をスプライトアニメーションに合わせる
  ship.x = ship.y = 100
  ship.onClick = =>
   shipAnimation.rotation = 90
   @stage.addChild shipAnimation
   shipAnimation.gotoAndPlay "move"
   @stage.removeChild ship
   # オブジェクトアニメーションを設定する
   createjs.Tween.get(shipAnimation)
     .to({x:width+100, scaleX:2, scaleY:2}, 1000, createjs.Ease.cubicIn)
     .to({rotation:270})
     .to({x:100, scaleX:1, scaleY:1}, 1000, createjs.Ease.cubicOut)
     .to({rotation:0}, 500)
     .wait(500)
     .call =>
      @stage.addChild ship
      @stage.removeChild shipAnimation
      shipAnimation.stop()
  @stage.addChild ship

  sqSpriteSheet = new createjs.SpriteSheet
   images: [contentManager.square]
   frames:
    width:100
    height:130
    regX:50
    regY:65
   animations:
    walk:
     frames: [0, 1, 2, 3, 4]
     frequency: 20
  sqAnimation = new createjs.BitmapAnimation sqSpriteSheet
  sqAnimation.x = 100
  sqAnimation.y = 250
  sq = new createjs.Bitmap createjs.SpriteSheetUtils.extractFrame sqSpriteSheet, 0
  sq.regX = 50
  sq.regY = 65
  sq.x = 100
  sq.y = 250
  sq.onClick = =>
   @stage.addChild sqAnimation
   sqAnimation.gotoAndPlay "walk"
   @stage.removeChild sq
   createjs.Tween.get(sqAnimation)
     .to({x:width+100}, 1000, createjs.Ease.quadInOut)
     .to({scaleX:-1})    # Y軸を中心にフリップする
     .to({x:100}, 1000, createjs.Ease.bounceOut)
     .to({scaleX:1})
     .wait(500)
     .call =>
      @stage.addChild sq
      @stage.removeChild sqAnimation
      sqAnimation.stop()
  @stage.addChild sq

  # Containerを使用してオブジェクトをまとめて管理したりもできる
#  container = new createjs.Container()
#       player = new createjs.Bitmap somethingImage
#  container.addChild player
#       player2 = new createjs.Bitmap somethingImage2
#  container.addChild player2
#  @stage.addChild container

  @fps = new createjs.Text "0 fps", "bold 14px Arial", "#000"
  @fps.x = @fps.y = 10
  @stage.addChild @fps
 startGame: ->
  createjs.Ticker.userRAF = true
  createjs.Ticker.setFPS 60
  createjs.Ticker.addListener this
 tick: =>
  #
  # キー入力にあわせたキャラクタの動作やあたり判定などをここで行う
  #
  @fps.text = (Math.round createjs.Ticker.getMeasuredFPS())+" fps"

  @stage.update()
window.GamePlatform = GamePlatform
・4行目、画像からBitmapオブジェクトを生成する
・5行目、setTransformは移動、スケール、回転、傾き、中心点をまとめて指定できる便利メソッド。ここではスケールまでしか指定していない
・6行目、Zオーダーという概念はなく後からstageに追加されたものほど上にくる。Zオーダーの指定がしたい場合は自分で実装しよう
・9行目、テキスト生成はこのとおり
・12行目、alignの指定などもおこなえる
・16行目、スプライトシートの設定を行う。画像の指定は複数可能。そちらの詳細はSpriteSheet Classを参照してほしい
・21行目、アクションの中心点を設定する。意味が不明な場合はXY両方の値を0に変更して実行してみよう。宇宙船の回転のアニメーションの部分で意味が理解できるはずだ
・23行目、BitmapAnimationで使用するアニメーションの設定を行う。ここの設定方法は複数あるのでこちらもSpriteSheet Classを参照してほしい
・28行目、BitmapAnimationオブジェクトを生成する。16行目で行ったスプライトシートのアニメーション設定をこのBitmapAnimationオブジェクトを通して使用する
・31行目、スプライトシートから指定のフレームを抜き取ってBitmapオブジェクトを生成する
・34行目、クリックイベントをハンドルする。これもEaselJSの大きな功績のひとつだ
・37行目、指定のアニメーションを実行する
・40行目、TweenJSを使用してオブジェクトアニメーションを設定する。指定のオブジェクトのプロパティ値を指定の時間と動かし方で変更できる
・46行目、TweenJSのアニメーションの終わりにコールバックを設定する。そのコールバックで宇宙船のアニメーションをstageからはずしたり宇宙船のアニメーションを止めたりする
・77行目、画像をフリップさせる場合はscaleXまたはscaleYに-1を設定する
・87行目、Containerを活用するとオブジェクトのグルーピングも楽に行える
・98行目、Tickerの設定あれこれ。詳細はTicker Classを参照してほしい
・102行目、今回のサンプルではあたり判定やらキー操作でのプレイヤーキャラクターの動作などは実装しなかったけれどそういった実装はtick()で行うようになる
・106行目、FPS(Frame Per Second)を表示する


ざーっと説明したけれども大体EaselJSを使ってのゲーム開発がどういうものか理解できただろうか。前回にも述べたけれどTicker(に登録したオブジェクトのtick())とStageという概念が基礎にあるだけでその上で行うゲーム開発は通常のゲーム開発とさほど変わらない。というわけでこれまでの解説を通してEaselJS、TweenJS、PreloadJSの便利さとか開発のしやすさが伝わったら幸いだ。


次回からはAndEngineの解説を行っていく。

2013年3月15日金曜日

磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その2

今回はHTML5でのゲーム開発を解説するシリーズの第二回である。前回は以下。

磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その1

今回からコードを使って解説していく。内容はCoffeeScriptをもとに説明するけれど、javascriptsフォルダ内に対応するJavaScriptファイルがあるのでCoffeeScriptになじみがない方はそちらを参照してほしい。

index.html
<body>
<canvas id="c" width="480" height="320"></canvas>
</body>
なぜかCSSからのサイズ指定が行えないのでCanvasタグに直接widthとheightを指定している。


coffeescripts/contentManager.coffee
class ContentManager
 manifest:[
  {src:'images/Background02.png', id:'background'},
  {src:'images/BlueShip.png', id:'ship'},
  {src:'images/WalkingSquare.png', id:'square'}
 ]
 constructor: (@stage, width, height, @downloadCompleteCallback)->
  @preload = new createjs.PreloadJS false # useXHR=false ローカルからファイルを読み込むのでimageタグを強要する
            # xhrはCross Origin Resource Sharingを許可しない
  @preload.onError = @handleElementError
  @preload.onFileLoad = @handleElementLoad
  @downloadProgress = new createjs.Text "-- %", "bold 18px Arial", "#fff"
  @downloadProgress.x = (width / 2)
  @downloadProgress.y = (height / 2)
  @elementLoadedCount = 0
 startDownload: ->
  @preload.loadManifest @manifest
  @stage.addChild @downloadProgress
  createjs.Ticker.addListener this
  createjs.Ticker.setInterval 50
 handleElementError: (e)=>
  alert "画像読み込み失敗 : #{e.src}"
 handleElementLoad: (e)=>
  @[e.id] = e.result
  @elementLoadedCount += 1
  if @elementLoadedCount is @manifest.length
   @stage.removeChild @downloadProgress
   createjs.Ticker.removeListener this
   @downloadCompleteCallback()
 tick: =>
  @downloadProgress.text = Math.round((@elementLoadedCount/@manifest.length) * 100) + " %"
  @stage.update()
window.ContentManager = ContentManager
何はともあれ画像がないとはじまらないのでPreloadJSを使用して画像を読み込む。
・2行目、読み込む対象画像へのパスを指定する。ここで指定しているidが11行目のonFileLoadイベントの引数e.idとして渡ってくる
・8行目、PreloadJSのコンストラクタにuseXHR=falseを指定している。この引数はPreloadJSにXHRではなくimageタグでの画像取得を行わせるための設定。今回のサンプルはローカルファイルからの読み込みなのでXHRでの取得ができない
・10行目、画像取得時にエラーが発生した場合のコールバックを設定する
・11行目、各画像取得完了時のコールバックを設定する
・17行目、PreloadJSに画像の読み込みを指示する
・19行目、createjs.Tickerのイベントリスナーを登録する。ここで登録したオブジェクトのtickメソッドが定期的に呼び出される。このtickメソッドがいわゆるゲーム開発におけるメインループとなる
・24行目、取得の完了した画像のidをプロパティ名として画像内容を設定する。このidは2行目で設定していたものと同一
・28行目、すべての画像の取得が完了したのでTickerのイベントリスナーを忘れずにはずしておく
・32行目、stage.update()で画面のリフレッシュを行う。stageについては後述する

とざっくりとだがPreloadJSの機能説明をした。簡単に言うと画像の取得が楽、という一言に尽きる。ちなみにPreloadJSを使わずに画像取得をする場合は以下のようになる。
var image = new Image();
image.onload = function() {
 context.drawImage(image, 10, 10);
};
image.src = "http://hoge/test.jpg";
上記のコードを汎用的に使いやすい形にするとPreloadJSになるのが理解できるかと思う。


coffeescripts/index.coffee
$(document).ready ()->
 isCanvasSupported = ->
  elem = document.createElement('canvas')
  return !!(elem.getContext && elem.getContext('2d'))
 unless isCanvasSupported()
  return alert "あなたのブラウザはCanvasが使えないです"

 canvas = $('#c')[0]
 stage = new createjs.Stage canvas

 contentManager = new ContentManager stage, canvas.width, canvas.height, ->
  platform = new GamePlatform(stage, canvas.width, canvas.height, this)
  platform.startGame()
 contentManager.startDownload()
使用しているブラウザがCanvasをサポートしているかチェックしてから先ほどのContentManagerで画像の取得を行っている。全画像取得完了時のコールバックでGamePlatform(後述)をインスタンス化しゲーム本編へと移行する。
・9行目、Stageをインスタンス化している。BitmapオブジェクトやBitmapAnimationオブジェクトなどの描画したいオブジェクトをstage.addChild(Obj)で追加する。stage.update()で追加されたオブジェクトのリストをコンストラクタで指定されたCanvasへと描画する。

EaselJSではTickerとStageが開発の基礎となる。

長くなったので続きは次回

2013年3月14日木曜日

磯野ー!2Dゲーム開発しようぜー! HTML5編 その1

ちぬあたりMEGAAndroid版もリリースし、HTML5とAndroidの2Dゲーム開発が何となく分かったのでこれから数回に分けて解説していく。最初の数回はHTML5(というよりもeaseljs)で残りはAndroidの解説になる。AndroidはAndEngineの使い方がメインとなる。ちなみに中島も磯野も出てはこないのであしからず。

今回のシリーズで使用する画像は下記から拝借している。商用利用する場合は連絡が必要ということなのでその意向がある方はリンク先の指示に従っていただきたい。
XNA Sprites


ゲーム内容

いたってシンプルな2dゲームである。キャラクターをクリックすると右端に消えた後に戻ってくるという内容だ。ちなみにゲームの対象年齢は2~3歳児ぐらいとなっている。


サンプルコード
今回のHTML5のソースコードはhttps://github.com/yooontheearth/html5-game-sampleから取得できる。後述する設定を行うことによってindex.htmlから動作確認できるはずだ。javascriptsフォルダ内のJavaScriptファイルはすべてcoffeescriptsフォルダ内のCoffeeScriptファイルから生成されている。


設定
今回はサーバをたてずにローカルからindex.htmlを起動するのでChromeにいろいろと設定が必要になる(IEとFireFoxは使用していないので不明)。Chromeの初期設定ではローカルからファイルを読み込んだ場合にほかの読み込んだローカルファイルをいじくるとセキュリティエラーが発生するようになっている。なのでそれを回避するために下記のフラグを設定する必要がある。
--allow-file-access-from-files
※セキュリティ上たいへんよろしくないのでテスト中などの場合にのみ使用するように

上記のフラグとともにChromeを起動する方法は下記。これはUbuntuの場合。
$ chromium-browser --allow-file-access-from-files
ちなみに上記のコマンドでChromeを立ち上げる前にすでにChromeのProcessが起動していたりするとフラグの設定が有効にならないのでUbuntuを再起動することをおすすめする。そのほかのWindowsやOS X、Androidなんかの起動方法は下記を参照してほしい。
Run Chromium with flags

どうやってもうまくいかん、という人はApacheでもなんでもよいので適当にWebサーバを立ち上げてhttp://localhost/index.htmlとかしてもらっても今回のサンプルは動作するはずなのでそちらからアプローチしてもらってもかまわない。


ライブラリ
今回はHTML5編の第一回ということで今回のシリーズで使用するライブラリの紹介をする。
EaselJS
ゲームのメインループや画像オブジェクトクラス、スプライトシート・アニメーションクラス、テキストクラスなどなど便利な機能盛り沢山のライブラリでHTML5の2dゲーム開発の核となる。各クラスの詳細な情報はEaselJS Documentを参照してほしい。

TweenJS
オブジェクトのアニメーションや動作を直感的に記述できるライブラリ。メソッドチェイン形式で振る舞いを記述できるので大変便利。デモでどのようなビルトインの動きがあるか参照してほしい。

PreloadJS
画像などを読み込むのに使用する。

上記のライブラリ群にSoundJSというライブラリを追加するとCreateJSというライブラリスイートになる。が、今回はサウンド周りは実装しないのでCreateJSではなく個別に参照している。


次回は前述のサンプルコードを使って色々と解説していく。